英国シュロップシャー州メルバリーにある築600年を超えるティンバーフレーム造りの聖ペテロ教会
St Peter’s Church – Melverley, Shropshire

メルバリー聖ペテロ教会は、英国シュロップシャー州のメルバリーに位置する、イングランド最古のティンバーフレーム造りの教会です。この教会は、1406年に地元のオーク材を用いて建てられたとされています。元々は別の教会が建っていましたが、1401年にウェールズの族長であったオワイン・グリンドゥール(Owain Glyndwr)によって焼き払われたとされています。焼失からわずか5年後の再建は驚くべきものであり、火災の直後から工事が始められたと考えられています。
イングランドには、黒と白のチューダー様式の外観が特徴的なティンバーフレームの古教会は、27棟ありますが、このメルバリー聖ペテロ教会は、ログ材と土壁(木の格子に粘土、砂、動物の糞、わら等を混ぜて作られた粘着性のある材料の壁)で構成された初期のイギリス教会建築の珍しい例の1つとなっています。
約620年の築年数を誇るメルバリー聖ペテロ教会は、祭壇の後ろにある東壁の下部3分の2を除き、ほぼ1406年に建築された当時の姿を保っています。
教会の内部構造
教会内部はオーク材のフレームによって3つの空間に分けられています。1つのフレームは、身廊(外陣)後方に面した2階のギャラリー(階上廊)を支える役割を果たしており、もう1つは内陣(クワイア)と外陣を区切る間仕切りとして機能しています。このティンバーフレーム構造が、建物全体に安定感を与えつつ、それぞれの空間を明確に区別しています。特筆すべきは、白い壁部分がオーク材のフレームよりも狭く作られている点で、これはこの教会が初期の木造建築であることを示しています。
この建物では釘が一切使われておらず、すべての接合部が木製のペグで固定されています。使用されている木材は、地元メルバリーで産出されたオーク材であり、その地域に根ざした木材の活用が、教会の長寿命を支えています。
教会の外陣に入るには、1588年にギャラリーを支えるフレームに取り付けられた木製の間仕切り壁を通り抜けます。ギャラリーへアクセスするには、狭い螺旋階段を使って上がりますが、建設当初に使用された大きなオーク材が経年で沈んだため、わずかに傾いています。その不均一さが、むしろ歴史の重みを感じさせる独特の雰囲気を醸し出しています。

