足場の設置と屋根・外壁の補修が進行中

築100年を迎える東京都内に建つハーフティンバー「T建物」では、現在、外部修繕工事が進んでいます。
今回の工事では、建物全体に足場を設置し、老朽化した屋根と外壁の状態を確認しながら、必要な補修を順次行っています。
前回の記事では修繕工事の開始について紹介しましたが、今回は屋根の防水下地となるアスファルトルーフィングの施工と、外壁に発生したクラックの補修状況を中心にご紹介します。
建物全体に足場を設置
まず、屋根や高所の外壁を安全に補修するため、建物全体に足場を設置しました。
T建物は複数の切妻屋根や曲線を持つ屋根窓、張り出した窓などが組み合わされた複雑な外観を持っています。そのため、屋根面や外壁の細部まで確認できるよう、建物の形状に合わせて足場が組まれています。
足場の外周には養生シートを設置し、工事中の資材や粉じんの飛散を防ぎながら作業を進めています。
地上からでは確認しにくかった屋根まわりや木部も、足場を設置することで近くから状態を確認できるようになりました。
屋根下地にアスファルトルーフィングを施工
屋根では、既存の屋根材を撤去した後、新しい屋根仕上げの下地となるアスファルトルーフィングの施工を進めています。
アスファルトルーフィングは、屋根材の下に敷く防水シートです。屋根材だけでは防ぎきれない雨水の侵入を抑え、建物内部を守る重要な役割を持っています。


特にT建物のように、複数の屋根面や屋根窓が組み合わされた建物では、屋根の接合部分や立ち上がり部分の雨仕舞いが重要です。
写真では、屋根面全体に防水シートが敷かれ、屋根窓や端部の形状に合わせて施工が進められている様子が確認できます。
この後、雨水が入りやすい部分を入念に処理したうえで、新しい屋根材を施工していく予定です。
外壁のクラックを確認しながら補修
屋根工事と並行して、外壁の補修も進めています。

築100年を経た外壁には、経年変化や建物の動きによる細かなクラックが複数確認されました。
外壁のクラックをそのままにすると、雨水が内部へ入り込み、下地材や木部を傷める原因になることがあります。そのため、表面だけを塗り直すのではなく、ひび割れの状態を一つずつ確認しながら補修することが重要です。
今回の工事では、クラックの幅や深さ、周辺の浮きや劣化を確認したうえで、必要な部分を補修しています。
また、ハーフティンバーでは、白い外壁と木部の取り合い部分にも注意が必要です。異なる材料が接する部分は、経年によって隙間が生じやすいため、雨水の侵入がないかを確認しながら作業を行っています。
玄関まわりの意匠も保護
T建物の玄関まわりには、レンガや石、木部を組み合わせた特徴的な意匠が残されています。
工事中は、既存の柱や窓、装飾部分を傷つけないよう養生を行いながら作業を進めています。
歴史ある建物の修繕では、傷んだ部分を新しくするだけでなく、当時から残る意匠をどのように保護するかも重要です。
特に玄関は、建物の印象を決める部分でもあるため、外観の雰囲気を変えないよう慎重に補修を行っています。

目に見えない部分を整える段階
現在は、新しい屋根材や仕上げ材を取り付ける前の下地工事が中心です。
アスファルトルーフィングや外壁クラックの補修は、完成後には見えなくなる部分ですが、建物を雨や湿気から守るうえで欠かせません。
築年数の長い木造建築では、表面をきれいにするだけではなく、下地や接合部、雨仕舞いを確認しながら修繕することが、建物の寿命を延ばすことにつながります。
今後の工事
今後は、屋根材の施工、外壁の仕上げ、木部の補修、ステンドグラスまわりの保護工事などを進めていく予定です。
足場を撤去した後、建物全体がどのような外観になるのかについても、工事の進捗に合わせてご紹介していきます。
築100年の意匠を残しながら、これからも長い住処として使い続けられるよう、必要な修繕を一つずつ進めています。

